物価高による暮らしぶりとエンゲル係数

家計を見直す時によく出る「エンゲル係数」という言葉。
普段でも日常会話の中で「うちはエンゲル係数が高くって・・・」などと出てきますよね。

人生100年時代、年金じゃ食べていけない…、など言われる中でさらに追い打ちをかけたよう物価の高騰。

買い物するにもさすがに考えますよね。

これを機会に、みなさんと一緒に生活全体を考えてみましょう。

「エンゲル係数」が食費の割合だということは何となくわかってはいるけれど・・・・
こんな人が多いのではないでしょうか。

エンゲル係数について

エンゲル係数が生まれたのは1857年。
とても古くから使われていたんですね。

ドイツの社会統計学者エルンストン・エンゲルが論分発表内で用いたのが始まりだそうです。

ズバリ、「家計の全ての消費支出に占める食料費の比率(%)、割合のことです」

総支出に対して食費の割合が多いと数値が高くなり、少ないと数値が低くなります。

計算するには
エンゲル係数(%)=食費÷消費支出×100となります。
意外と単純です。

では消費支出とは?

言葉からして、生活で使うものの購入金額に思えますが、どこまでが含まれるのかを考えてみましょう。

消費支出=日常生活を維持するための商品やサービスの購入費のことです。
購入費には、衣食住に関するものや車の購入費や維持費、交際費が含まれます。
また自動車にかかる税金や消費税、仕送りなども含まれます。

消費支出に含まれないもの
・所得税
・住民税
・社会保険料
・住宅ローンの返済
・民間の生命保険料
・預貯金
・資産運用

上記のものがあります。
計算する場合は、これらを入れないようにしましょう。

なお、会社員であれば、、手取り収入のうち生活するために使った金額だと考えればよいかと思います。

計算してみましょう

総務省の家計統計2022年の2人以上世帯のうち勤労者世帯の平均実支出の数字を例に計算してみます。

消費支出の内訳
・食費80,502円、
住居・光熱水道・家具費・被服・教育・娯楽・その他の消費支出を計240,125円として消費支出合計320,627円。
非消費支出を116,760円とした場合。

エンゲル係数は

80,502円÷320,627円×100=25.1%(小数点2位以下切り捨て)
となります。

平均値を見て、大体消費支出の4/1が食費ということですね。

ご自分のエンゲル係数を計算してみましょう。

「エンゲル係数」と生活水準

エンゲルの論分では所得が上昇すると係数が下がる傾向にあることを論じていて、これを「エンゲルの法則」といいます。

ですが、現在では物価の高騰、地域や家族構成によっても違ってくるため、エンゲル係数が一概に生活水準の指標になるとは言えないと思います。

大まかには年収が上がればエンゲル係数は小さくなる傾向にありますが、必ず反比例するとは言えません。

昨今の物価高ということもあり、自分の家庭の係数を知り、食費の傾向を知っておくことも必要といえます。

ただし食費だけを切り詰めるのではない?

計算をしてみて仮にエンゲル係数が高かったとして、食費を切り詰めるべきかといえばそうではありません。
家族の健康を守る大切な費用なので、食費は食費として家計全体を見ましょう。

節約すべきところはほかで見つかると思います。

食費の切りつめを考えるのであれば
・外食を減らす
・食材を余らせていないか
・買い物の無駄はないかのチェック

以上を気を付けて、家計も健康も守っていきましょう。

最後に

マスクの規制が解けたと思ったら、食料品の高騰でお子さんのいる家庭などは買い物にも苦労されていることと思います。
これを機会に、家計全体を見直し、無駄がないかチェックしてみましょう。
物価が上昇する中で、食事を減らすことが求められているかもしれません。
ですが、料理の工夫や、食材の見直しなど費用を抑えバランスの良い食事作りを目指していきましょう。